ガラタ村泊の予想外のメリット <トロードスの壁画聖堂群>

昨日お話ししたガラタ村@キプロス山中のゲストハウス(築・約100年)には、3泊した。
初日はとりあえず明るいうちに到着すれば良い。2日目に聖堂群のいくつかを見学して、3日目にはちょうどワイン祭りのある村を訪問。そんなスケジュールだった。

某有名ガイドブックには、世界遺産の教会群は閉まっていることが多いのでツアーに参加したほうが無難、と書かれている。当時も、現在の2011-12年版も。そして実際、いくつかの教会は村にカギを預かる老人がいて、まずその人を探し出さなければならないのだ。

そこで2日目はまずこの地方の観光拠点といってもいいプラトレスという町まで戻った。ガラタ村から10km以上離れているが、そこにはツーリストインフォメーションがあるから。
係のお兄さんにアドバイスを求めると、
「車はお持ちですか?マダム」と聞かれる。「はい、あります」
「でしたら簡単です。しばらく北上して、まずはココ(Pedoulas村の大天使ミハイル聖堂)へ行き、つぎがココ(Moutoullas村の生神女聖堂)。そしてココ(Kalopanayiotisの聖イオアン修道院)」
マップを指し示しながらルートを教えてくれた。※地図の目印はアバウトです

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「カギがかかっていると聞きましたが」
「最初の教会はそうです。でも手前角の家に管理人のご婦人がいて、すぐにわかるでしょう。そして次は…もしかしたら今日は休みかな、でもそうじゃなければ鍵は開いているはずだから入れますよ。最後の教会は確実にオープン日なので問題なく入れます」

ツアーではいくつ見るのが一般的なのかは知らないが、
彼は「そのくらい見ればいいんじゃないかな。そのあとキッコー修道院にも行けますし」と言っていた。
ちなみにキッコー修道院は世界遺産ではないけど、キプロスでは有名な修道院だ。

もちろんこの日、私はそのアドバイスに従って巡ったわけだが、3泊したあいだに他に3つ訪問できた。10ある世界遺産の聖堂のうち、6つを制覇したことになる。

そのうちひとつは隣村カコペトリアのはずれにあり、オープン時間内なら入場自由だ。2日間、通りすがる場所にあって偶然発見。2度目の通過時に入ることが出来た。
もうひとつは宿泊したガラタ村にあるのだのだが、これが問題の、カギを持つ老人がいる教会だったのだ。


話は初日にさかのぼる。
ゲストハウスの場所が分からず、オーナーに村のレストランまで来てもらい、車で先導してもらった。
到着後、
「そうそう、うちを教えておくわね。トイレットロールが足りないと思うから渡したいし」
そう言われてお嬢さんが運転する車の後部座席に乗り込んだ。小さな村のなかなので、歩ける距離なんだがw
トイレットペーパーを積み込み、戻ろうとしたときだった。

オーナーのおばさんが近所の老人を大声で呼び止め、なにやら話しはじめる。
それから私に向かって
「彼がここにある世界遺産の教会の鍵を持ってるのよ。案内してくれって頼んだから、ついって行って!」

こりゃなんという幸運♪
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オーナーに「うちの宿泊客だからちゃんと説明してあげてね」とでも言われたのだろう。
壁画の聖人たちについてひとつひとつ丁寧に解説してくれた。今にして思えば、ちゃんと案内してもらえたのはここだけだ。

キプロスはかつて英国統治下にあったこともあって老人ほど英語が堪能。でも聞き手の私のほうは堪能じゃない(笑)。訛りもあるし、なにより聖人名や逸話となると、ついていけない部分も多い。
それでもときどき覚えのある話があって、「あー、はいはい!」程度の反応ならできる。すると、おじいさんはだんだん興に乗って、いよいよ説明に力が入るのだった(笑)。
最後に「写真をとってもいいですか?」と尋ねると、彼は申し訳なさそうに
「ユネスコが厳しくてね、写真はダメなんだ」と言う。
それは従わないわけにいかないね。「わかりました」と外観だけ撮影。

すると「新しい聖堂も見せてあげよう」と、すぐ近くにある現役の教会へ。
ミサの時以外は閉まっていて、こちらもカギは彼が持っている。
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ここでもひとしきり聖人やエピソードを描いた絵画を紹介したあと、
「ここは写真を撮ってもいいよ」と言ってくれた。
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さらに!
「そうだ、もうひとつ古い聖堂があるんだが、見るかい? そっちはユネスコの管轄外だから写真も問題ないぞ、ひひひ」
笑い方は卑屈な「ひひひ」ではないのよ。人なつっこい感じ。この国の人たち、顔が厳ついし無表情だから、一見怖くて近寄りがたいという印象を受けるが、ちょっと慣れると案外優しくて人が良い。

そしてまたまた鍵を開けてくれたのがこちら↓
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さすがに世界遺産の選に漏れただけあって、内部の状態は良くないが・・・
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それぞれでお礼を言ったけど、3つも見せてもらえて大感激!
彼は「なんのなんの」という風に手を振って、戻っていった。

ところで、トイレットペーパーだが、おかげでもらうのを忘れ・・・(笑)、
オーナー宅に行くのも面倒なので、翌日カコペトリアのスーパーで買ってしまった(^^ゞ

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